先週は大阪出張でくたくたでした。しかも昨日は家の給湯器が故障しお風呂に入れなかったのです・・・。今朝どうにか復興し、仕事には影響が出なかったのですが、やっぱりこの季節、三度の飯よりシャワーがないと厳しいですよね。。

さて、

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5月9日、ファーマフーズという食品系バイオベンチャーが東証マザーズへの上場承認を得ました。正直なところ、僕は今後上場できるバイオベンチャーはほんの一握りの医薬系ベンチャーだけだと思っていましたが、食品系の会社が承認を得たのでかなりびっくりしました。確かに商品もあるし、売り上げも立っているわけですが、この手の会社が継続的に企業拡大を続けていくのは相当に難しく、公開しても株主の期待には応えにくいんじゃないかと思っていたわけです。
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機能性食品系のバイオベンチャーが上場したことは、僕自身はバイオベンチャーの業界では明るいニュースであると思っています。

理由は、日本はやっぱり植物関係(農業関係)、微生物関係(発酵など)が昔から強い国なんです。医療関係をみればアメリカに勝てるというイメージは僕の中ではなかなかわきませんが、植物、微生物の分野では農耕民族である日本人なので、勝てそうなイメージがわいてきます。

イネゲノムにおいては日本が世界を引っ張ってきましたし、納豆菌の研究やお酒の研究であれば日本はナンバーワンですからね。また、バイオマスエネルギー関係の特許申請の数は、過去10年を考えると世界の40%を日本がとっているというデータもあります。つまり、日本のバイオ技術はここが強いはずなのです。

今後特に期待するのは、バイオマスエネルギー関係の環境バイオベンチャーなどができてきて上場し、この業界を騒がせると面白いのではないでしょうか。

とにかく、医療のみにこだわりすぎず、自国にあった特徴的なバイオベンチャーが、今後も公開を目指し、世界に打って出て行ければ、冷え固まったバイオベンチャーの投資も再開するのではないでしょうか。

また、企業拡大についてですが、発想を広げればこれも可能だと思います。この手の機能性食品関係はやはり組み合わせ的な商品体系が可能ですので、医療のように飛びぬけた形の利益拡大はありませんが、たくさんの特許と絡めて新商品を作り出したり、また、アレンジで商品の拡大ができます。そんな中で、話題が走れば企業成長が見込める分野ではないでしょうか。

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しかし、一方で食品系のベンチャーには難しい点もたくさんあります。たとえば機能性食品には特定保健用食品、健康補助食品、栄養機能食品、特別用途食品、そして健康食品と、さまざまな種類があるわけですが、米国制度との整合性問題や、業界団体からの圧力などによって非常に複雑な制度になっています。おかげで消費者には何がなんだかわからないし、昼のワイドショーや「あるある」などでいい加減な内容を放送しているおかげで常に胡散臭さが付きまといます。
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指摘にもあるように、本物の商品と偽者の商品の見分けることが困難なことも事実です。法的規制もなかなか整っていませんし、あるあるなどのテレビで似たような形で宣伝されている危ない商品も見分けがつかなくて、消費者が手にしてしまう危険性があります。

もちろん、あぶないといっても食品ですから、もっとも、すべての食品はたくさんとりすぎれば「毒」にはなるのですが。

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こんな状況の中で、本当に力のある食品系ベンチャーが力を発揮していくためには、一体何が必要だと思いますか?
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やはりこの答えは「消費者の認知度向上」と「機能性食品の制度化」および「機能性食品の研究手法の確立」ではないでしょうか。

まず認知度というのは「食品である」ということを踏まえ、その中でどう「機能」を考えるかを消費者に理解してもらうことです。食品は多くとれば毒になるとか、また、機能がどういった形で効いてくるのか、のベースの知識をもって取捨選択していくということでしょう。

また制度化や研究手法の確立は確実に医薬品のものよりも整っていません。

まだまだ始まったばかりでいろいろと今後も制度的にも動いていくところなので、チャンスではありますが注意が必要ですね。ここがうまく追いついていかない限り、本物が残っていかず、偽者の食品ベンチャーが増えていってしまう危険性もあります。

とにかく、ざ〜っと、いろいろ書きましたが、僕としてはかなり喜ばしいことであると感じています。是非がんばって「食品系バイオベンチャー」がさらに増えていってくれることを願っています!

さて、話は変わりまして、今回のパスだしですが、今度の6月18日(日)の13時〜知財学会で「日本のバイオベンチャー企業における人材流動の促進に向けて」というタイトルで学会発表します。
http://www.ipaj.org/index.html

これはバイオベンチャーの調査を特に「人」という観点から調査したんですが、面白かったのはこ「バイオベンチャーの社長の平均年齢と前職」というところです。

ITベンチャーに比べると非常に面白い結果が出たんです。

なんと、ITベンチャーの社長よりもバイオベンチャーの社長は平均年齢が約30歳も高い。つまり、平均35歳に比べて65歳になるのがバイオベンチャーです。

で、20代のバイオベンチャーの社長は4人しかいないことが分かりました。

投資の面でも、そして、今後のバイオベンチャーの発展を考えても、やはりもっと若者ががんばらなければならない気がしました。