どうしたら国民の意識がバイオに向くと思いますか?今回は「国民のバイオへの理解を深める方法は?」というお話。
一番初めの疑問。本当に国民がバイオテクノロジーに感心を示さなければならないのか?ということです。
別にバイオなんて知らなくてもいいじゃん!ってほとんどの国民が思っているかもしれません。そう思って、アンケートをとった情報によると(詳細は忘れましたが)分かりやすければできるだけ知りたいという結果が出ています。
21世紀は生活の中には知らぬ間にどんどん「バイオテクノロジー」が入ってきています。医療や食品の面では一番大きいかもしれませんね。それだけでなく、最近はライフログを始め、生体にセンサーをつけ、それを調べることで、健康を維持するようなしだいになってきました。つまり、身近になってきたこともあり、意外と皆さん関心を持って勉強しています。
しかしながら、ネットには間違った情報もあふれているため、間違った情報をたくさんしっかりと蓄えているかたもいます。この間違った情報が世の中に蔓延しているのが問題なんですね。
いよいよこれからの時代は、遺伝子診断や、遺伝子治療、遺伝子組み換え食品など、「国民は自ら知識を得て、そして自ら取捨選択をしていく時代」へと突入しました。
それでは、どうしたら国民が正しいバイオテクノロジーを理解できるようになるのか?
まず、一言で国民と言ってもあいまいですので、大きく3つに分けて話をします。
教育されている段階(小学校〜大学)
この世代はまさにバイオ教育を普及させることが最も関心、意識を引き出すことができます。つまり、バイオテクノロジーを学問として最低限義務教育としてやっていくのです。少なくともアメリカ、イギリスでは義務教育としていれられています。
次に働いている世代です。
この世代にはまさに「興味を持ってもらう」ことが大切ですので、教育の中というよりは生活の中でと言うことになります。正しい最先端の情報を分かりやすく伝える総合サイトや、プラットホーム的な場所が必要になってきます。これはNPOや様々な研究機関がその空間を構築し始めています。
次に家庭です。
ここが一番の問題のようですね。家庭では家の生活、とくに食品や、医療にもっとも関心がありそれゆえ、真っ向からGMOやバイオ医療を反対する消費者団体等になりやすいと思います。
特に固定観念が強いかたが多く(子供のためということもあるのですが)、またサイエンス的な観点が抜けている場合が多いので、なかなかすんなりバイオテクノロジーを受け入れてくれないのです。
そして、新聞や雑誌関係の知識は豊富にもっているのですが、間違った情報を取捨選択することができない場合も多く、それも「正確な理解」を阻害する要因になっています。
この問題を解決するために、実際に親子で実験を体験する、「親子のバイオ実験教室」を数多くやっていくことが良いのではないでしょうか。
この効果としては、子供がバイオサイエンスに興味をもつことで、親にも伝わる。つまり、子供が興味のあることはかならず親にも興味をもつきっかけとなると言うことです。まさに相乗効果で親にも知識がつき、バイオの国民理解が広がっていきます。
実際にリバネスではこの試みを設立当初からおこなっていますが、最初は理解を示さなかった(示したくなかった)親も、子供の真剣なまなざしと、子供の楽しそうな顔をみて、「バイオを身近に感じた」「もう少し、いろいろ勉強してみたくなった」などと、心境を変化させています。
結論からすると「バイオ教育を様々な角度から取り入れていく」という一番地道な草の根的活動だと思います。これこそが「国民のバイオへの理解」を深める唯一の方法かもしれません。
とにかくキーになるのは「いかにして興味を引くか」ですね。そして正しい知識を届けるか。
子供なら実験、親なら子供の真剣なまなざしで、そして働いている人なら実用的な観点からという「興味」の種を植えていくことがポイントだと思います。
われわれの生活は、科学技術と密接に関わってきています。遺伝子組換え技術やクローン技術の例を見るまでもなく、科学技術が引き起こす問題が単なる技術的問題にとどまらず、倫理的問題も含んだ社会的問題を引き起こすことがあります。
このような問題を解消し、科学技術に関する市民の理解を獲得することは今後の産業に大きく影響してきます。
近年、専門家が自ら一般市民や小中高校の学生に対して実験教室等の活動をする試みも増えてきています。
しかし、専門家が聞き手を充分に理解できていないケースや、専門家が伝えたい内容と聞き手が理解した内容に隔たりがあるケースも少なくなく、依然として専門家と社会との間に生じた認知度格差は縮まっていないといえます。
米国では、日本の30以上まえからこのような問題が社会問題になっていました。
とくに、米国においては、1980年代に科学技術離れが問題となりました。この問題は、1983年の連邦教育省長官諮問委員会報告書「危機にたつ国家」によって報告され、この報告書では、米国の学力低下の実態や米国経済の浮沈が学校教育にかかっているという指摘がなされました。
このときのプロジェクトはまさに長期的な視点で、特に初等・中等教育(K12)の科学教育を充実させるために、専門家・教育者・現場教師・教育行政の共同体制の元、カリキュラム作成・評価法・教員養成・教育行政・支援体制を明確化したものです。
さらに、2001年に作成されたDFSL (Designs for Science Literacy「科学リテラシーのためのデザイン」)は、Project2061の集大成ともいえるもので、データベース化されたカリキュラムデザインを元に具体的に教室でどのような授業を行うべきかの方向性までも示されています。
(研究・技術計画学会 〜バイオテクノロジーにおける科学コミュニケーターの育成および学校教育における研究事例〜 高橋、丸、他 口頭発表より引用)
つまり米国では1980年代にまさに今の理科離れという現象が産業にダメージを与えるということが指摘され、それを国をあげて強化することで消費者への理解、そして産業の発達につなげていったのです。
日本もこれからバイオテクノロジーは産業になります。
バイオ燃料、バイオ医薬、iPS細胞、遺伝子検査、遺伝子診断、遺伝子治療、、、
この産業を発展させるためには同時にどうやってバイオテクノロジーをみんなに理解してもらうか、を同時に行うことが必須になるということです。
リバネスはバイオ実験教室
http://www.kyouikuouen.com
サムワンなどのメディアを通じて
http://someone.jp
これからもサイエンスをわかりやすく皆様に伝えていきます。
一番初めの疑問。本当に国民がバイオテクノロジーに感心を示さなければならないのか?ということです。
別にバイオなんて知らなくてもいいじゃん!ってほとんどの国民が思っているかもしれません。そう思って、アンケートをとった情報によると(詳細は忘れましたが)分かりやすければできるだけ知りたいという結果が出ています。
21世紀は生活の中には知らぬ間にどんどん「バイオテクノロジー」が入ってきています。医療や食品の面では一番大きいかもしれませんね。それだけでなく、最近はライフログを始め、生体にセンサーをつけ、それを調べることで、健康を維持するようなしだいになってきました。つまり、身近になってきたこともあり、意外と皆さん関心を持って勉強しています。
しかしながら、ネットには間違った情報もあふれているため、間違った情報をたくさんしっかりと蓄えているかたもいます。この間違った情報が世の中に蔓延しているのが問題なんですね。
いよいよこれからの時代は、遺伝子診断や、遺伝子治療、遺伝子組み換え食品など、「国民は自ら知識を得て、そして自ら取捨選択をしていく時代」へと突入しました。
それでは、どうしたら国民が正しいバイオテクノロジーを理解できるようになるのか?
まず、一言で国民と言ってもあいまいですので、大きく3つに分けて話をします。
教育されている段階(小学校〜大学)
この世代はまさにバイオ教育を普及させることが最も関心、意識を引き出すことができます。つまり、バイオテクノロジーを学問として最低限義務教育としてやっていくのです。少なくともアメリカ、イギリスでは義務教育としていれられています。
次に働いている世代です。
この世代にはまさに「興味を持ってもらう」ことが大切ですので、教育の中というよりは生活の中でと言うことになります。正しい最先端の情報を分かりやすく伝える総合サイトや、プラットホーム的な場所が必要になってきます。これはNPOや様々な研究機関がその空間を構築し始めています。
次に家庭です。
ここが一番の問題のようですね。家庭では家の生活、とくに食品や、医療にもっとも関心がありそれゆえ、真っ向からGMOやバイオ医療を反対する消費者団体等になりやすいと思います。
特に固定観念が強いかたが多く(子供のためということもあるのですが)、またサイエンス的な観点が抜けている場合が多いので、なかなかすんなりバイオテクノロジーを受け入れてくれないのです。
そして、新聞や雑誌関係の知識は豊富にもっているのですが、間違った情報を取捨選択することができない場合も多く、それも「正確な理解」を阻害する要因になっています。
この問題を解決するために、実際に親子で実験を体験する、「親子のバイオ実験教室」を数多くやっていくことが良いのではないでしょうか。
この効果としては、子供がバイオサイエンスに興味をもつことで、親にも伝わる。つまり、子供が興味のあることはかならず親にも興味をもつきっかけとなると言うことです。まさに相乗効果で親にも知識がつき、バイオの国民理解が広がっていきます。
実際にリバネスではこの試みを設立当初からおこなっていますが、最初は理解を示さなかった(示したくなかった)親も、子供の真剣なまなざしと、子供の楽しそうな顔をみて、「バイオを身近に感じた」「もう少し、いろいろ勉強してみたくなった」などと、心境を変化させています。
結論からすると「バイオ教育を様々な角度から取り入れていく」という一番地道な草の根的活動だと思います。これこそが「国民のバイオへの理解」を深める唯一の方法かもしれません。
とにかくキーになるのは「いかにして興味を引くか」ですね。そして正しい知識を届けるか。
子供なら実験、親なら子供の真剣なまなざしで、そして働いている人なら実用的な観点からという「興味」の種を植えていくことがポイントだと思います。
われわれの生活は、科学技術と密接に関わってきています。遺伝子組換え技術やクローン技術の例を見るまでもなく、科学技術が引き起こす問題が単なる技術的問題にとどまらず、倫理的問題も含んだ社会的問題を引き起こすことがあります。
このような問題を解消し、科学技術に関する市民の理解を獲得することは今後の産業に大きく影響してきます。
近年、専門家が自ら一般市民や小中高校の学生に対して実験教室等の活動をする試みも増えてきています。
しかし、専門家が聞き手を充分に理解できていないケースや、専門家が伝えたい内容と聞き手が理解した内容に隔たりがあるケースも少なくなく、依然として専門家と社会との間に生じた認知度格差は縮まっていないといえます。
米国では、日本の30以上まえからこのような問題が社会問題になっていました。
とくに、米国においては、1980年代に科学技術離れが問題となりました。この問題は、1983年の連邦教育省長官諮問委員会報告書「危機にたつ国家」によって報告され、この報告書では、米国の学力低下の実態や米国経済の浮沈が学校教育にかかっているという指摘がなされました。
このときのプロジェクトはまさに長期的な視点で、特に初等・中等教育(K12)の科学教育を充実させるために、専門家・教育者・現場教師・教育行政の共同体制の元、カリキュラム作成・評価法・教員養成・教育行政・支援体制を明確化したものです。
さらに、2001年に作成されたDFSL (Designs for Science Literacy「科学リテラシーのためのデザイン」)は、Project2061の集大成ともいえるもので、データベース化されたカリキュラムデザインを元に具体的に教室でどのような授業を行うべきかの方向性までも示されています。
(研究・技術計画学会 〜バイオテクノロジーにおける科学コミュニケーターの育成および学校教育における研究事例〜 高橋、丸、他 口頭発表より引用)
つまり米国では1980年代にまさに今の理科離れという現象が産業にダメージを与えるということが指摘され、それを国をあげて強化することで消費者への理解、そして産業の発達につなげていったのです。
日本もこれからバイオテクノロジーは産業になります。
バイオ燃料、バイオ医薬、iPS細胞、遺伝子検査、遺伝子診断、遺伝子治療、、、
この産業を発展させるためには同時にどうやってバイオテクノロジーをみんなに理解してもらうか、を同時に行うことが必須になるということです。
リバネスはバイオ実験教室
http://www.kyouikuouen.com
サムワンなどのメディアを通じて
http://someone.jp
これからもサイエンスをわかりやすく皆様に伝えていきます。
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